10年以上の正規教員生活を経て、育児のため非常勤講師になって早3か月・・・
楽しく順調に非常勤生活を満喫しています。
一週間に1回の授業でしか会わない児童(クラス)もありますが、結論から言って、児童との信頼関係を築くのに特に問題はありません。
なぜか!?信頼関係を築くのに一番大切な、「全員が楽しいと思える授業をしよう!」という気持ちを忘れないようにしているからだと思います。
具体的に、どのようなことを心掛けているかをお伝えしたいと思います。
一人一人の様子をよ~~~く見る。
大きな学校なので1クラスの人数も40人近いです。ですが、1か月も経つと、いつも意欲的な子、どうやら文字を書くのが苦手な子、とにかく自分の話を聞いてほしい子、声だけの指示に注意が向かない子、と子どもたちの特性が色々と見えてきます。
「みんなが楽しいと思える授業」は、それらの特性を持った子どもたち全てに対応しなくてはなりません。
例えば、字を書くのが辛くて寝てしまう子には、「聞いた話や教科書に書いてあることを絵にしてノートに書いてみて」と個別に声掛けをしておきます。そして、必ず授業中や授業の後に、「分かりやすい!」と褒めます。
そうなると、だんだんと話を聞こうという姿勢が出てきます。
児童が興味を持つ素材を集めたり、授業の流れを組み立てるのはもちろん大切ですが、それだけではどうしてもついていけない子どももいると思います。支援教育の視点を少しでも持つことで、「この先生は自分のことを見てくれている。」と感じてもらえて、信頼関係が構築できると思います。
自分の人柄を知ってもらう。
たまにしか会えないので、お互いに相手のことを知る時間は限られていますよね。
そこで私は、自分の家で使っているちょっとしたものを教材として持っていくことがあります。
〇「1リットル」を分かりやすくするために、自分の家で飲んだ牛乳パックを持っていく
→「スーパー〇〇で買って飲んだ牛乳なんだけどね・・・」「あ!ぼくもそのスーパー行く!」
〇持ってきてほしい材料例の写真を家で撮る
→ほんのすこーし周りの風景などが写っていると、「先生の家ってどんなだ?」と集中して見たくなる。
などなど、、、、
他にも、好きな漫画、休日に何をしているか、家族との会話など、ほんのちょっぴり教材とからめるだけで、興味を持って聞いてくれているのを実感します。
プライバシーに影響のない範囲でぜひお試しを!
学期の半ばに、1回でいいので気合を入れてコメントを書く
レポートや、ノートに書かれた児童の意見・アイディアに対して、いつもは無理ですが1回でいいので気合の入ったコメントを書いています。
ただの「いいね」だけではありません。「〇〇〇という考えは思いつかなかった!」とか、「△△さんだから思いつく優しい言い方だね。」など、一人ひとりの顔を思い浮かべて1文だけの手紙を書く感覚です。
友達同士で「なんて書いてあった?」など、見せ合っているのを見ると、嬉しいんだな、気持ちが伝わったかな、と思います。業務量を調整して、「この週は書くぞ!」と決めると取り組みやすいと思います。
課題が終わらない児童のフォローを忘れない
作業がゆっくりで時間内に課題が終わらなかったり、欠席してできなかったりした児童をそのままにしません。
いくつかの教科や学年を担当していると、全部いっぺんにフォローすることはできません。ですが、
①相手(児童)の都合を聞く。「今日の昼休みあいてる?」→子どもにだって都合はあります。
②一人ではないことを伝える。「先生も一緒にやるよ。」「Aさん、Bさんも一緒にやる予定だよ。」→休み時間に一人でぽつんとやるのは誰でも嫌です。
③教師が必ず見ることを伝える。「他のクラスも回ってくるけど、必ずこのクラスに戻ってくるよ。」→やらせたなら、最後まで見届けましょう。
こうすると、どのクラスの児童も課題を終わらせることができます。
周りの児童も、「先生は見捨てないで最後まで一緒にやってくれる。」というのを見ているので、終わらない児童だけではなく、そのクラスの児童全体の信頼感にもつながります。
全員が動ける、楽しい授業!
私は、自分で言うのもなんですが、特別腕のいい教師ではありません。だからといって、毎時間そんなにがっつり教材研究をする余裕もありません。
ですが、そんな私でもできることがあります。
誰でも「ず~っと座ったまま話を聞く」のはツラいですよね。だからこそ・・・
〇誰でも答えられる内容のクイズを用意しておいて、「分かった人全員立つ!」
〇今心の中で思ったことを隣の人にこっそり伝える。
〇分かった人→グー、分からない人→チョキ、分かるけど自信ない人→パー、などで全員手を挙げる
など、全員が動ける授業をするだけでも、子どもの気分は違うはず。
時には教師がわざとありえない間違えた答えを言ってもいいと思います。(←もちろんつっこんでもらいましょう。)
おわりに
学校は、児童全員が学習意欲マンマンで登校してくるわけではありません。そんな中で、「この人の話なら聞いてみようかな。」と少しでも思ってもらえるといいな、という考えで授業に臨んでいます。
学級担任ではなくても、児童と信頼関係を築くことはできます。それは、非常勤講師だけではなく、時短で働く先生も同じだと思います。また、直接保護者と話すことはなくても、児童が家庭でその授業の話をすれば、それが保護者からの信頼感を得ることにもつながると思います。
忙しそうな担任の先生を見ていて、引け目を感じてしまうこともあるかもしれません。ですが、子どもから見れば同じ「先生」です。
堂々といきましょう!